私は数年前、自分へのご褒美として、当時話題になっていた複数の美容皮膚科メニューを詰め込んだ10万円の特別コースを契約しました。当時の私は、美容医療はすべて「贅沢品」であり、税金の控除などは関係ないと思い込んでいたため、クリニックから受け取った領収書を、帰宅途中にカバンの中で邪魔だという理由で捨ててしまいました。しかし、その年の年末になって、ひどい肌荒れの治療のために通っていた保険診療の皮膚科の費用や、歯科矯正の費用を合わせると、年間の医療費が優に20万円を超えていることに気づきました。確定申告をすれば数万円が戻ってくる計算でしたが、あの時捨ててしまった美容医療の領収書の中に、実は治療目的として認められる可能性があったニキビ跡のレーザー治療が含まれていたのです。税理士の友人に相談したところ、医師の診断に基づいた治療であれば控除の対象になり得たと指摘され、自分の無知さと不注意さにひどく落胆しました。クリニックに再発行をお願いしましたが、基本的には再発行不可という決まりがあり、結局、その分の控除を諦めるしかありませんでした。この経験から学んだ最大の教訓は、どんなに小さな金額の領収書であっても、医療機関から発行されたものはすべて1年間は保管しておくべきだということです。特に自由診療と保険診療が混在しているようなクリニックの場合、どの項目が控除の対象になるかは素人目には判断がつきません。また、領収書を捨ててしまったことで、後日、施術後の経過について電話で問い合わせた際にも、会員番号や契約日を即座に伝えることができず、対応がスムーズに進まなかったこともありました。今は、美容医療に限らず、病院でもらった領収書はすべてスマートフォンのカメラで撮影してデジタル化し、原本は専用の箱に入れるようにしています。デジタルで残しておけば、万が一原本を紛失しても、支払いの証拠として提示できるからです。1枚の領収書を大切に扱うことは、自分のお金と健康を大切にすることと同義です。美容医療は高価な買い物だからこそ、その証明書である領収書は、購入したブランドバッグの保証書と同じくらい、あるいはそれ以上に重要であることを痛感しました。皆さんも、クリニックの出口で領収書をゴミ箱に捨てるようなことは絶対にしないでください。その1枚が、後のあなたを助ける貴重な資料になるかもしれないのですから。