レーザー脱毛や光脱毛が主流となっている現代において、「ニードル脱毛(医療針脱毛)」という言葉を聞いたことがない方もいるかもしれません。しかし、この方法は他のどんな脱毛法でも対応できない特定の悩みを解決できる、まさに最終手段とも言える非常に優れた脱毛方法です。ニードル脱毛は、その名の通り、毛穴の一つ一つに極細の針(プローブ)を挿入し、そこに微弱な電流を流すことで毛根組織を直接破壊する技術です。毛を一本一本確実に処理していくため、非常に手間と時間がかかりますが、その効果は絶大です。施術した毛穴からは、二度と毛が生えてくることはありません。このニードル脱毛が他の方法と決定的に違う点は、毛の色や質に一切左右されないということです。レーザー脱毛や光脱毛は、毛の黒いメラニン色素に反応させて熱を発生させる仕組みのため、メラニン色素を持たない白髪や金髪には全く効果がありません。また、産毛のようにメラニンが薄い毛や、逆にレーザーの刺激で濃く硬くなってしまった「硬毛化」した毛にも、十分な効果が得られないことがあります。ニードル脱毛は、毛の色に関係なく毛根組織そのものを物理的に破壊するため、これらのレーザーでは対応不可能な毛を唯一、確実に処理できるのです。眉毛の形をミリ単位で整えたい、乳輪周りの数本だけをなくしたい、といった非常に細かいデザイン脱毛にも最適です。しかし、その高い効果と引き換えに、デメリットも存在します。最大のデメリットは、強い痛みを伴うことです。毛穴に直接電流を流すため、レーザーとは比較にならないほどの鋭い痛みを感じます。また、一本ずつの処理になるため、広範囲の脱毛には膨大な時間と、それに伴う高額な費用がかかります。そのため、全身をニードル脱毛で行うのは現実的ではなく、広範囲はレーザーで処理し、レーザーで抜けきらなかった毛や白髪、デザインを整えたい部分だけをニードル脱毛で仕上げる、といった組み合わせが最も賢い活用法と言えるでしょう。
最終手段としてのニードル脱毛という選択