美容クリニック業界の裏話

全身脱毛を検討する上で、多くの人が最も気になるのが施術時の「痛み」ではないでしょうか。「全身」と一括りに言っても、その痛みの感じ方は部位によって全く異なります。この違いを事前に理解し、適切な対策を知っておくことが、長い脱毛期間を安心して乗り越えるための鍵となります。一般的に、痛みの強さは「毛の濃さ・太さ」「皮膚の薄さ・デリケートさ」「骨との近さ」という三つの要素に大きく左右されます。これらの条件が揃う部位ほど、痛みは強くなる傾向があります。全身脱毛の中で、多くの人が「最も痛い」と口を揃えるのがVIOライン、特にIラインとOラインです。このエリアは、毛が非常に濃く密集しており、皮膚が薄く粘膜に近いため、レーザーの熱エネルギーを強く感じやすいのです。「熱い鉄の棒を押し付けられるよう」と表現する人もいるほど、鋭い痛みが伴います。次に痛みが強いとされるのが、ワキや男性のひげです。これらも毛が太く密集しているため、レーザーが強く反応し、「輪ゴムで強く弾かれるような」はっきりとした痛みを感じます。一方で、腕や脚、お腹といった部位は、毛が比較的薄く、皮膚にも厚みがあるため、痛みはかなりマイルドになります。チクッとした軽い刺激や、温かさを感じる程度で、ほとんど痛みを感じないという人も少なくありません。ただし、膝や足の甲、手首といった骨に近い部分は、皮膚のすぐ下に骨があるため、響くような独特の痛みを感じることがあります。背中やお尻は、自分では見えないものの産毛が密集しているため、広範囲にわたってチリチリとした熱感を感じることがあります。このように、痛みは部位ごとに千差万別です。しかし、現代の医療脱毛では、痛みを軽減するための様々な工夫がなされています。強力な冷却機能を持つ脱毛機や、希望すれば使用できる麻酔クリーム（表面麻酔）など、対策は万全です。カウンセリングで痛みが不安なことを正直に伝え、自分に合った対策を相談することで、誰でも全身脱毛を乗り越えることは可能なのです。